6・02『バッターの義務』
(a)バッターは自分の打順がきたら速やかにバッターボックスに入って打撃姿勢をとらなければならない。
(b)バッターはピッチャーがセットポジションをとるかまたはワインドアップを始めた場合には、バッターボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。
「ペナルティ」バッターが本項に違反した際、ピッチャーが投球すれば球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する。
「原注」バッターは思うままにバッターボックスを出入りする自由は与えられていないから、バッターがタイムを要求しないでバッターボックスを外したときにストライクゾーンに投球されればストライクを宣告されてもやむを得ない。バッターが打撃姿勢をとった後ロージンバッグやインタールバッグを使用するためにバッターボックスから外に出ることは許されない。ただし、試合の進行が遅滞しているとか天候上やむを得ないと球審が認めたときは除く。審判員はピッチャーがワインドアップを始めるかセットポジションをとったならば、バッターまたは攻撃チームのメンバーのいかなる要求があってもタイムを宣告してはならない。例えばッターが“目にごみが入った”“眼鏡がくもった”“サインが見えなかった”などその他どんな理由があっても同様である。球審は、バッターがバッターボックスに入ってからでもタイムを要求することを許してもよいが、理由なくしてバッターボックスから離れることを許してはならない。 球審が寛大にしなければしないほどバッターはバッターボックスの中にいるのであり投球されるまでそこに留まっていなければならないということがわかるだろう。バッターがバッターボックスに入ったのにピッチャーが正当な理由もなく、ぐずぐずしていると球審が判断したときにはバッターがほんのわずかの間バッターボックスを離れることを許してもよい。ランナーが塁にいるときピッチャーがワインドアップを始めたりセットポジションをとった後バッターがバッターボックスから出たり打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たせなかった場合、審判員はボークを宣告してはならない。ピッチャーとバッターとの両者が規則違反をしているので審判員はタイムを宣告してピッチャーもバッターも改めて“出発点”からやり直させる。
(c)バッターがバッターボックス内で打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審はストライクを宣告する。この場合は、ボールデッドとなり、いずれのランナーも進塁できない。このペナルティの後、バッターが正しい打撃姿勢をとれば、その後の投球は、その投球によってボールまたはストライクがカウントされる。バッターがこのようなストライクを3回宣告されるまでに、打撃姿勢をとらなかったときは、アウトが宣告される。
「原注」球審は、本項によりバッターにストライクを宣告した後、再びストライクを宣告するまでに、バッターが正しい打撃姿勢をとるための適宜な時間を認める。

6・03バッターは、正規の打撃姿勢をとるためにはバッターボックスの内にその両足を置くことが必要である。
「付記」バッターボックスのラインは、バッターボックスの一部である。